ナダル(Nadal、2017年4月27日 - )は、アメリカ合衆国の競走馬・種牡馬。2020年のアーカンソーダービーなどで優勝してクラシック候補に挙がるが、怪我のため引退を余儀なくされた。
経歴
ケンタッキー州のシエラファームで生産されたサラブレッドの牡馬である。2歳時にファシグ・ティプトンのトレーニングセールに出品され、これを仲買人ケリー・ラドクリフが70万ドルで落札、その後ジョージ・ボルトン、アーサー・ホーユー、バリー・リップマン、マーク・マティーセンの4名による共同所有となった。
怪我のため2歳戦には使われず、デビューしたのは3歳になった1月19日のサンタアニタパーク競馬場であった。このダート6.5ハロンで行われた未勝利戦において、ナダルは2着馬に3馬身3/4差をつけて初勝利を手にしている。
ナダルの2戦目はグレード競走初挑戦となるサンヴィンセントステークス(G2・サンタアニタパーク・ダート7ハロン)であった。鞍上にジョエル・ロサリオを迎えて出走したナダルは、道中2番手につけて競馬を進めると、最後の直線で先頭を走っていた馬ジノビリを3/4馬身追い抜いて優勝を手にした。さらに翌戦、3月14日のオークローンパーク競馬場で行われたレベルステークス(G2・ダート8.5ハロン)では自身が先頭に立つ競馬を見せ、最後の直線では2着馬エグゼッションからの追い込みをかけられるものの、3/4馬身逃げ切って3連勝を飾った。この時点でナダルはフロリダダービー優勝馬のティズザロウや、サンフェリペステークス優勝馬のオーセンティックなどとともにケンタッキーダービーの最有力候補として名前が挙がっていた。
この年は春頃からCOVID-19のパンデミックの影響を受けて休止・順延する競走が多く、本来5月2日に行われる予定であったケンタッキーダービーも大幅に順延、一方でダービーのプレップレースとなるアーカンソーダービー(G1・オークローンパーク・ダート10ハロン)も順延して5月2日に開催された。このためか、同年のアーカンソーダービーにはナダルを含む多数の馬が登録され、分割競走として実施された。この競走で最初に飛び出したのはルイジアナダービー勝ち馬のウェルズバユーで、ナダルはその後ろ2番手を追う形で進め、残り2ハロンの標識でウェルズバユーが力尽きるとそれを追い越し、最終的に2着馬キンググリエルモに3馬身差をつけて優勝を手にした。
しかしその後、サンタアニタパークでの調教中に左前肢の側面顆部を骨折、手術も行われたが復帰は難しいと判断され、5月28日に引退が発表された。その後、同年の10月14日に日本の社台スタリオンステーションがナダルを種牡馬として購入したことを発表、10月30日に現地に到着した。
種牡馬時代
2021年の種付け料は400万円で、2023年は350万円、2024年は300万円となっていたが、2025年の種付け料は前年と比べ、700万円増えて1000万円となった。
なお、この産駒は2024年11月10日までにJRAで20勝を挙げ、そのうちダートが17勝となっている。
主な産駒
- グレード制重賞優勝馬
- 2022年産
- メルキオル(2025年ブルーバードカップ)
- 地方重賞優勝馬
- 2022年産
- ホーリーグレイル(2025年ニューイヤーカップ)
- プレミアムカインド(2025年花吹雪賞)
血統表
脚注
注釈
出典
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post
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