バッテリー(英語: battery)は、現代では、いくつもの、かなり異なった意味で使われている単語である。
もともとの語源は、ラテン語のbattuere (バットゥエレ、打つや叩く、攻撃するの意味)で、英語では「ボールを打つための道具」であるbat (バット)や「戦い」を意味するbattle (バトル)と語源を同じくする。
現代では、多くの人が電池や蓄電池を真っ先に思い浮かべるが、野球好きの人々にとってはバッテリーといえば「投手と捕手」をひと組の存在として指す用語である。
このように、一見したところでは全く異なった、無関係に見える意味で使われている。 なぜこれほどまで異なる意味で使われているかと言うと、英和辞書にはもともとの古い意味として「連続して打つ(撃つ)」という意味や砲列(大砲の列)という意味が掲載されており、「一連の」という意味の熟語の「a battery of」も生じた。この「一連の(装置)」という用法から、バッテリーが電池を指すようになったらしい。かつては静電気をためておけるライデン瓶をいくつもつなげたものを「一連の(装置)」という意味でバッテリーと呼んでいたため、いつのまにか電池全般がそう呼ばれるようになったのである。
広く電池と呼ばれるもの
- 電池、乾電池のこと。
- 蓄電池、組電池のこと。
- 自動車・オートバイ搭載用の鉛蓄電池(自動車用電池)。乗り物の分野では、充電残量が無くなった状態を「バッテリー上がり(あがり)」と言う。
- スマートフォン、デジカメなどに搭載する電池類のこと。1990年代まではニッカド電池やニッケル・水素充電池が多く、2010年代からはリチウムイオン電池の類が多い。なお充電量の残量は「バッテリー残量」や「電池残量」と言う。「バッテリー」だけではバッテリー残量という意味にならない。充電残量が無くなったことを「バッテリーが切れた」という言い回しで表現することはある。
野球用語
- バッテリー (野球) - 野球用語の一つ。投手と捕手の組を指す。投手陣の火力を上記の砲兵隊に例えたもので、後に捕手をも含む語となった。以下の作品の題名はこれを意味する。
- バッテリー・パーク - ニューヨーク市の公園、単にバッテリーともいう。
語源に近い用法
もともとの、打つ、撃つという意味やそれと深く関係する用語
- 砲兵中隊のこと。
- マーチングバンドの中で、フィールド上を動く打楽器の総称。マーチングスネアドラム、マルチタム、マーチングバスドラム、マーチングシンバルなど。
- 楽譜において、2音間のトレモロのこと。
- 攻撃という意味
- バッテリー (不法行為) - 不法行為の一つ。「人への侵害」という包括的な用語に該当するものとして挙げられている。
- バッテリー (犯罪) - 犯罪の一種。違法な物理的接触を伴うものを指す。
グループ名、作品名など
上述の意味に関係した固有名である。
- ヘヴィメタル・バンド、メタリカの曲。アルバム『メタル・マスター』に収録。
- Battery - SMAPの曲。シングル『Mistake!/Battery』に収録。
- BATTERY - フィンランド生まれのエナジードリンク。
- バッテリー (かわぐちかいじの漫画) - かわぐちかいじの漫画。
- バッテリー (小説) - あさのあつこの小説、およびそれを原作とした派生作品。
- バツ&テリー - 大島やすいちの漫画。登場人物の名もバッテリーにちなむ。
脚注
関連項目
- 一括補水システム
- BATT
- 電池
- バタリーケージ - 養鶏業における飼養システム。「バタリー」とは、「Battery」を本来の発音に近い表記をしたもの。
- 「バッテリー」で始まるページの一覧
- タイトルに「バッテリー」を含むページの一覧




