『ピアノのために』(フランス語: Pour le Piano)は、クロード・ドビュッシーが作曲したピアノ曲集。
概要
1901年完成。ただし第2曲のみ、1894年に『忘れられた映像』の一曲として作曲されたもので、1896年に『グラン・ジュルナル』 (Le Grand Journal du lundi) 紙の付録として単独で発表されたあと、変更を加えてこの曲集に組み入れられた。初演は1902年1月11日の国民音楽協会の演奏会で、リカルド・ビニェスによって行われ好評を収める。出版は1901年で、第1曲と第3曲はそれぞれドビュッシーの弟子だったヴォルムス・ドゥ・ロミリー(Worms de Romilly)とニコラ・コロニオ(Nicolas Coronio)に、第2曲は『忘れられた映像』と同じくルアール夫人(Yvonne Rouart)に献呈された。
『ベルガマスク組曲』と同じく各曲には古典組曲に倣った題名が付けられている。しかし作曲には約10年の開きがあり、全音音階や半音階を生かした語法ははるかに革新的になっている。技巧的なピアノ書法も駆使されており、ドビュッシー独自のピアニズムの始まりや、最初の成熟したピアノ曲と評される。
楽曲
- 第1曲 前奏曲 (Prélude)
- 「十分にいきいきと、リズミックに」。冒頭の激しい主題と、ペダル音上でゆっくりと上昇する主題が対比される。
- 第2曲 サラバンド(Sarabande)
- 「優雅な落ち着きとゆるやかさをもって」。豊かな和音を伴った荘重な舞曲。モーリス・ラヴェルが1922年に管弦楽編曲を残している。
- 第3曲 トッカータ(Toccata)
- 「活発に」。急速な動きが途切れずに続く。後半では冒頭の楽想が嬰ハ長調で再現され、喜ばしい響きのなかで終結を迎える。
注釈
外部リンク
- ピアノのためにの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト




